コンゴ民主共和国:「ミノバ裁判」の報道写真が人道ビザドール賞を受賞

コンゴ民主共和国
2015.10.29

コンゴ民主共和国・南キブ州の臨時法廷で8日間にわたり行われた「ミノバ裁判」。2012年11月に約1000人のミノバ住民を集団強姦したとされる39名の兵士が、2014年2月に被害者の証言を傍聴しました。被害者は全員、自分の身の安全を確保するために、ベールに顔や身体を隠して参加しました。

法廷での様子を繊細ながら力強くカメラに収めたとして、2015年6月19日、フォトジャーナリストのディアーナ・ゼイネブ・アルヒンダウィが、赤十字国際委員会(ICRC)の人道ビザドール賞を受賞しました。その賞は、フランスのペルピニャンで毎年9月に開かれているフォトジャーナリズム祭「ビザプールイメージ」の一部門です。今年の人道ビザドール賞のテーマは、「紛争下の女性」。

昨年の受賞者は、中央アフリカ共和国の人道危機を報道したウィリアム・ダニエルズでした。

身元を隠すためにベールをまとい、法廷で証言する被害者 © Diana Zeyneb Alhindawi

ミノバにあるカトリック学校の講堂に作られた臨時法廷で証言する女性を乗せた車に集まる生徒。被害者は、50キロ以上離れたゴマに行く経済的余裕がないため、簡易法廷がここに作られました © Diana Zeyneb Alhindawi

多くの女性がいまだに心的外傷後ストレス障害を抱えています。精神科医からカウンセリングをうけるベールを覆った女性 © Diana Zeyneb Alhindawi

非公開の軍事裁判で証言するベールを覆った被害者。検察側は彼女のためにマイクを持ち、被告の弁護士がメモを取っています。手前に座っているのは起訴された兵士 © Diana Zeyneb Alhindawi

法廷で質問される兵士 © Diana Zeyneb Alhindawi

拘置所に戻る準備をしている被告人 © Diana Zeyneb Alhindawi

ミノヴァから南に3キロ離れたブガンガ村でにある性暴力の被害者のためのシェルターで泣いている生後2週間の赤ちゃん © Diana Zeyneb Alhindawi

息子の写真を掲げる母親。2012年11月、彼女が住んでいた性暴力の被害者のためのシェルターに兵士が押し掛け、息子を誘拐しました。数日後、衰弱しきった姿で見つかった息子は。一か月後、亡くなりました © Diana Zeyneb Alhindawi

ミノヴァから南に約1.5キロ離れたムビンビ。ここに20年間に及ぶコンゴ内戦から逃れた人たちが住む小さなキャンプがあります。ミノバの法廷で証言した性暴力の被害者は、襲われたときこのキャンプに暮らしていました © Diana Zeyneb Alhindawi

講堂裏で電話を取るアマニ・ミレル・カハワ。彼女が率いる10人のコンゴ検察官チームは、アメリカ法曹協会に採用され、支援を受けています © Diana Zeyneb Alhindawi