コンゴ民主共和国・北キブ州:多くの民間人が犠牲となった攻撃に抗議

コンゴ民主共和国
2025.02.10
民間人の女性

ICRC

キンシャサ(ICRC)― 赤十字国際委員会(ICRC)は、コンゴ民主共和国北キブ州の州都ゴマとその近郊で続く武力衝突と民間人への甚大な影響に危機感を抱いています。ICRCが支援する医療施設、特にゴマにあるCBCA Ndosho病院に、銃器や爆発性兵器による負傷者が多数搬送されている現状を憂慮しています。

ICRCは、1月 初旬から600名以上の負傷者を治療しました。負傷者の半数近くは民間人で、多くが女性や子どもでした。

現地のICRC外科チームは、激しい戦闘と絶え間ない爆撃が続くなか、医療施設にやってくる民間人の治療にあたっています。

負傷者はバイクやバス、または地元の赤十字ボランティアの力を借りて搬送されてきました。ここには銃弾や金属片による負傷者たちも含まれます。
職員を総動員し、3つの外科チームが24時間態勢で負傷者の治療にあたっています。ベッドが不足しているため、床に横たわっている負傷者もいるほどです

ICRCゴマ副代表部代表ミリアム・ファビエ

このような事態が起こるのは、人口密集地、特にゴマを含む都市部や避難民キャンプで迫撃砲を使用し、激しい戦闘が民間人を巻き込んで壊滅的なダメージを与えているためです。最近起きた由々しき出来事として、国際人道法上保護の対象となっているルサヨ難民キャンプの民間人が数十名命を落としたことが報道されています。

国際人道法は紛争当事者に対して、民間人の生命と財産を守るための保護を義務付けています。また、紛争当事者は軍事作戦による人道上の影響を最小限に留めるため、あらゆる手段を講じなければなりません。
喪失感にさいなまれ、見捨てられたと感じている負傷者から、私たちのもとにたくさんの連絡が届いています。負傷者の喫緊のニーズである食料や医療、電気、安全な飲料水が間断なく届けられるよう、私たち人道支援従事者は安全なルートの確保に努めなければなりません

ICRCコンゴ民主共和国代表部 首席代表フランシス・モレイロン

ICRCは、医療従事者や患者の安全を脅かす事案に危機感を抱いています。私たちはすべての紛争当事者に、医療従事者を尊重し、医療施設を保護するよう求めます。また、負傷者がゴマ市内の医療施設へ安全に搬送されるよう、紛争当事者に協力を要請します。

ICRCの車両

ICRC



2025年1月以降、ICRCが行った活動実績は以下のとおりです。

医療

  • 北キブ州と南キブ州でICRCが支援する複数の医療施設で、1300人以上の負傷者を治療。
  • ゴマの軍病院に負傷者用の物資を寄付。

    水と暮らし

  • 電線を再接続する民間企業を支援(ゴマの電力需要の70%に相当)。
  • 大量の負傷者受け入れに対処するため、ICRCが支援する医療施設の近くに医療サービス提供用のテントを設置。
  • 在ゴマのICRC医療施設(CBCA Ndosho病院、北キブ州立病院、 Chirika La Umoja Centre)およびDon Bosco児童養護施設への水の搬送。
  • 停電の影響を受けているゴマの4つの医療施設(CBCA Ndosho病院、北キブ州立病院、 Chirika La Umoja Centre、 Adventist Centre )への発電機用燃料の提供。
  • ゴマ市内に水を供給するため、国の水道事業体REGIDESOと民間企業Yme Jibuに燃料を提供。
  • 国立生物医学研究所(INRB)に燃料を供給。
  • INRB研究所が戦闘行為から保護されるよう赤十字の標章を貼付。

    ICRCの作業員

    ICRC

    家族の連絡回復・再会支援

  • CBCANdosho病院が1月28日から31日まで仲介した電話連絡は68件。 55人の患者が戦闘勃発以来、離散していた家族との連絡を回復。
  • コンゴ民主共和国赤十字社に遺体袋を寄付し、他機関とも連携の下、遺体回収をロジ面で支援。

    ICRCの活動について、詳しくはこちらもご覧ください。