ロシア・ウクライナ国際的武力紛争:行方不明者と被束者の家族がICRC本部を訪問
赤十字国際委員会(ICRC)は6月17日 、ジュネーブ本部にて、ロシア・ウクライナ間の国際的武力紛争に関連したウクライナ側の行方不明者や被拘束者の家族70組と面会しました。
ICRCは、ロシア・ウクライナ両陣営の行方不明者・被拘束者約28,000人の安否と所在に関する情報を得る手助けをしています。これらの人びとは、拘束、殺害、避難によって消息が途絶えていると予想されます。行方不明者・被拘束者の一人ひとりには、帰りを待つ家族がいることを忘れてはなりません。
訪れたウクライナ人の家族は、帰りを待つ家族としての苦悩を共有し、行動を呼びかけました。愛する人の消息が分からないのは、大きな苦しみとなります。
すべての家族には、家族の一員に何が起こったのかを知る権利があります。
ICRCヨーロッパ・中央アジア地域ディレクター アリアン・バウアー
2022年2月のロシア・ウクライナ紛争の激化以降、ICRCは行方不明者の情報を求める家族からの電話、メール、手紙をおよそ165,000件受け取っており、これらの報告は行方不明者を捜索するうえで、一助となっています。
これまで、ICRCは9,000世帯に情報を提供してきましたが、依然として知らせを待ち続けている家族は数え切れません。また、ICRCは両陣営で拘束された3,000人以上の捕虜を訪問してきました。
紛争当事者は、国際人道法に基づく義務を遵守し、ICRCによる被拘束者へのアクセスおよび定期的な訪問を許可する必要があります。また、被拘束者の生死にかかわらず、ICRCに対して消息に関する情報をタイムリーに提供する必要があります。
ICRC中央追跡調査局(The Central Tracing Agency:略称CTA)は、紛争当事者間の中立的な仲介者として活動しています。行方不明となった、あるいは家族と離散してしまった戦闘員や民間人の所在や消息に関する情報を収集、管理、伝達し、家族との連絡が維持されるよう努めています。ジュネーブに拠点を構えるCTAは、世界中の赤十字社・赤新月社と緊密に連携し、行方不明者の家族との再会を支援しています。