ロシア・ウクライナ紛争:捕虜との面会を経て、待ちわびる家族にメッセージを伝達

ウクライナ
2022.12.09

捕虜の家族との会合に出席するICRCスポリアリッチ総裁(2022年12月)©Shuzo Sato/ICRC

ジュネーブ(ICRC)―ここ数週間、赤十字国際委員会(ICRC)は、ロシアとウクライナの両当事者がそれぞれ収容している多くの捕虜を訪問し、健康状態や待遇を確認。同時に、安否の知らせを待ちわびる家族に宛ててメッセージを届けました。捕虜へのアクセスを得たことで、書籍や衛生用品、毛布、防寒着などの支援も行いました。

ICRCのミリアナ・スポリアリッチ総裁は、「一連の訪問は、凄惨な国際的武力紛争下でも人道主義が守られるようにするための重要な一歩です」と語ります。「私たちは捕虜の待遇を確認し、ことづかったメッセージを家族に伝えることができました。これをきっかけに、すべての捕虜を定期的に訪問できるようになることを期待しています」。

ICRCは先週、ウクライナ人捕虜を2日にわたって訪問した他、今週も訪問を予定しています。また、同時期にロシア人捕虜の訪問も実現し、月末までにさらに複数回訪問する予定です。

ICRCのチームは、捕虜の家族に連絡を取り、ことづかったメッセージを伝えています。メッセージの大半は、愛情あふれる言葉や、個人的な事柄を短く綴ったものです。心配しないように伝えるものもあれば、タバコや靴下、お菓子などの差し入れを依頼するものもありますが、どのメッセージも苦悩する家族や親族にとっては心のライフラインを維持するうえで重要な役割を担っています。

家族のみなさんには、あなたの愛する人こそが、私たちの最優先事項だということを知ってほしいのです。すべての捕虜に会えるまで、私たちは間断なく取り組んでいくつもりです。

ICRCスポリアリッチ総裁

すべての捕虜は、ジュネーブ第三条約に基づき、ICRCの職員による定期的な訪問を受ける権利があります。今回、一連の訪問が実現したことは大きな進展である一方で、ICRCは、どこに収容されていようとすべての捕虜を妨げられることなく訪問し、繰り返し一対一で面会することを許可されなければなりません。