ICRCインターンシップ体験談 法律インターン宋漢君さん
応募のきっかけは?
大学時代に実際に紛争地で人道支援に携わった先生の経験談や、その時に制作されたドキュメンタリーを見たことをきっかけに、人道支援に深く興味を持つようになりました。また、大学院では国際法を専攻しているため、将来は法的なアプローチを用いて、人道危機などに少しでも歯止めをかけることに貢献できたらと考えていました。ICRCは直接紛争地で人道支援を行う国際的な機関として知られており、その上で、とりわけ国際人道法の観点からのアプローチを重視しています。募集要項をみたところ、ICRCでのリーガルインターンは自分の国際法の知識とスキルを活用し、実際に人道支援に力を捧げられる機会だと思いました。学校で理論的に学んだ知識がいかに現場で活用されているのかを知る機会でもあるため、応募いたしました。
業務内容は? やってみてどうでしたか?
業務はリサーチ系のものが多かったです。例えば、国際人道法にまつわる議論の動向の把握や、日本での産学連携に関連する対人地雷をはじめとする議題の実施状況のリサーチ、国際人道法模擬裁判やロールプレイ大会などのイベントサポート、人道法普及のための文章作成、各種報告書の作成、法律文書の翻訳などが挙げられます。
その中で、特に印象に残ったのはロールプレイのシミュレーションの作成です。実際に紛争地に起こりうるシナリオを想定して、参加者に紛争関係者として仮想体験してもらう、というものです。その際、よりリアルなシミュレーションを作成するために、さまざまな関連資料や報道などをリサーチし、ICRCの他の代表部のリーガルオフィサーと一緒に議論して作成しました。平和な時代・地域で生まれ育った若者に、紛争や人道法の機能を少しでも理解してもらうことを目的として行なっているイベントです。事務所に座っている私たちはただパソコンに向かってシミュレーションを作成していたわけですが、児童の監禁などをはじめとするシナリオは現実的に紛争地に発生していることです。実際、そうした問題に苦しめられている人々が存在していることをリサーチを通じてより深く実感することができました。その経験によって、今後フィールドに行ってみたい気持ちがより固まりました。
宋さんが手がけた記事【戦争で使ってはいけない武器とは?】はこちら
今後のキャリア展望
修士課程を修了した後、引き続き博士課程に進学するつもりです。博士課程に在籍している間に、できるだけフィールドにも行ってみたいと思います。将来は法的な専門知識を用いて、人道支援に少しでも役に立つ人材になりたいです。
ICRCでのインターンシップを考えている人へ
もし人道支援に興味があれば、ぜひICRCでのインターンシップに挑戦していただきたいです。自分が果たしてこのような職場に向いているのかどうかを知るチャンスでもあります。また、国際法を専攻していると自分の進路について悩みを持つ方も少なくないと思いますが、もし実務に関心があれば、国際法が実際にいかに現場において活用されているのかを知る機会でもあります。さらに、それぞれ異なるバックグランドを持つ職員からお話を伺うこともでき、自分の視野や可能性を広げるチャンスでもあります。ぜひ気軽に応募してみてください。