ICRCインターンシップ体験談 広報インターン 山内 彩葉

お知らせ
2025.03.24

応募のきっかけは?

 大学の講義で、人道支援というものの存在について知り、人道支援組織の活動に興味を持ちました。もともと、学生のうちに国際的な組織で働く経験がしたいと思っていたところ、世界各地で紛争や暴力の苦しみから人々を救う人道支援活動を行うICRCが、駐日代表部でインターンを募集しているのを発見し「これだ!」とピンときたので応募しました。

業務内容は?

広報インターンとして、幅広い業務を経験させていただきました。
ICRC本部のウェブサイトに掲載される世界各地の現場からの活動報告に目を通し、日本語の記事を作成しました。数ある活動報告の中から、日本人に読んでほしいコンテンツを選ぶ過程では、世界各地の現場を理解するための背景知識を得ることができ、大きな学びになりました。
作成した日本語の記事をもとに、Eニュースレターを発行しました。また、駐日代表部の公式Xの更新にも携わりました。本部だけでなく、世界各地にある代表部の投稿を見て、人道支援の分野におけるトレンドを知り、自分自身も毎回アップデートされる感覚になりましたし、より多くの人からの関心を集める投稿内容を考えることがやりがいになりました。
加えて、2024年12月に横浜で行われた企画展に対しても、関連する仕事に携わらせていただきました。企画展では、実際に紛争地から収集された物品を目の当たりにするなど、とても貴重な機会になりました。
他にも、国際人道法(IHL)ロールプレイ大会や模擬裁判の運営や、世界大会出場校へのインタビュー、軍事顧問として働く職員へのインタビューなどをおこないました。

インターン期間を振り返って

どの業務も、常に高い専門性が求められ、ICRCの中立・公平・独立の理念を体現する必要性があり、最初はとても難易度が高いように思われました。実際に記事や広報物を作成する業務では、用語や固有名詞の使い方が難しかったです。職員の方からのアドバイスを多くお借りすることで、少しずつ形にしていくことができました。
加えて、駐日代表部には、各地の代表部から職員の方が訪問され、その度に幅広く異なる切り口で仕事について伺うことができたことが印象に残っています。ICRC のように、世界各地に同僚がいる環境で働く人道支援分野の仕事について解像度を高めることできました。
何よりも、以前から興味を持ち続けていた国際的な組織で少しでも仕事に関われたことがうれしかったです。インターンに裁量が与えられている点では、記事や広報物に対する自分の意見が反映されることも大きなモチベーションにつながりました。

ICRCで学んだこと

私がインターンとして活動した2024年にジュネーブ諸条約は75周年を迎えました。
ICRCは、ジュネーブ諸条約を含む国際人道法 の守護者と言われています。「戦争とはいえ、やりたい放題は許されない」というキャッチフレーズを掲げ、民間人や民用物、文化財等を守るために紛争当事者と対話します。
例えば、第二次世界大戦だけを見ると、大量虐殺、医学実験、拷問、人質、都市部の完全崩壊、広島と長崎の核破壊、性暴力、飢餓、捕虜への虐待、人間の盾の使用などがあげられます。これらの出来事は、恐ろしい出来事であったことに違いはありません。ICRCが“守護者”としてそのルールの徹底を促す国際人道法は、紛争の恐ろしい現実に根ざしたものであり、紛争による犠牲を最小限にし、戦後の復興や平和の道しるべとなり得るものです。私は、国際人道法は人類が共生するための最低限の基準であり、今日においても適切だということを広報の仕事を通して学びました。

今後の展望は?

私自身、来月から社会人になりますが、ICRCの広報インターンとして学び習得したことは、必ず将来の糧になるだろうと感じています。それくらい実りのある期間でした。半年間の期間を経て、世界各地の出来事や人道支援、国際人道法について知見を深めるだけではなく、実務的な面でも成長できました。例えば、作成した記事をウェブサイトに掲載する際には、コードを使い、読みやすいウェブ記事を作る工夫を学びました。何も経験がないまま飛び込んだステップでしたが、確実に将来のキャリアつながる一歩でした!

ICRCでインターンシップを考えている人たちへ

特別な専門知識や経験が無くても、赤十字の活動や人道支援の分野に少しでも興味がある方は、ぜひ応募していただき、職員の方の仕事を近くで見て面白味を感じていただければと思います。お待ちしています!