国際赤十字・赤新月運動共同プレスリリース:紛争被害者への支援を促進「スーダンを忘れられた危機にしてはならない」
スーダンにおける1年間の紛争は、800万人を超える避難民と数万の死傷者を生み出し、壊滅的な被害を生み出しています。食料、水、燃料といった必要不可欠な資源の深刻な不足、医療システムの機能不全は、戦闘の恐ろしい結果のほんの一部にしか過ぎません。
赤十字国際員会(ICRC)の現地パートナーであるスーダン赤新月社は、現地の一般市民が人道的保護と人道的支援を受けられるよう、国際赤十字・赤新月運動(赤十字運動)による努力の最前線にいます。
私たちは、応急処置の提供および負傷者の避難の支援に向け、スーダン各地から4,000人のボランティアを動員しました。スーダン赤新月社のスタッフとボランティアにより、食料や必需品や心のケアの提供、行方不明者の捜索が実現できています。私たちは、紛争の渦中にあるコミュニティが直面する緊急ニーズを満たすべく、国際社会に支援を拡充するように促しています。スーダンを忘れられた危機にさせるわけにはいきません。
スーダン赤新月社代表アイーダ・アル=サイード・アブドゥラ赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、現地での活動に参加する各国赤十字・赤新月社(デンマーク赤十字社、ドイツ赤十字社、オランダ赤十字社、ノルウェー赤十字社、カタール赤新月社、スペイン赤十字社、スウェーデン赤十字社、スイス赤十字社、トルコ赤新月社)は、スーダン国内で激化する紛争や自然災害の被害者を保護し、スーダン赤新月社の活動を支援しています。
スーダン赤新月社とそのパートナーがおこなう、医療機関への支援、避難民とその所属コミュニティへの支援、離ればなれになった家族の再会(離散家族間の電話での安否確認を含む)は、極めて重要です。スーダン赤新月社は、主要な支援機関として、数千人の被害者に支援を提供してきました。
赤十字・赤新月運動(赤十字運動)の貢献は、即時的な緊急人道支援にとどまらず、技術的アドバイスの提供、キャパシティビルディング、スーダン赤新月社に対する財政的・物質的支援にまで及んでいます。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、スーダン赤新月社の事業を継続できるように支援し、救命活動・人道的支援を拡充するため、6,000万スイスフランの緊急アピールを開始しました。また、国際赤十字・赤新月社連盟は、エジプト、チャド、南スーダン、中央アフリカ共和国、エチオピア、リビアの近隣諸国における赤十字・赤新月社の人道的支援と活動を支えるために、4,200万スイスフランを募る地域人口運動(Regional Population Movement)を開始しました。
また、赤十字・赤新月社運動は、紛争に関与するすべての国家および非国家武装勢力に対し、一般市民やもはや戦うことのできない人々を保護するための国際人道法の下での義務に従うよう求めています。家屋や病院、学校が損壊し、戦闘に加わっていない人々が傷つけられると、ただちに被害が生じるだけでなく、紛争後の地域社会が癒され、団結することが非常に難しくなります。
赤十字と赤新月運動は、進行する紛争の恐怖に苦しむ人々に対して保護と救命救済を提供することに努めています。ただし、今後1年間のスーダン赤新月社の運営を維持するためには、より多くの資金が必要なのが現状です。