コロンビア:コミュニティで支援活動に情熱を注ぐ一人の男性

コロンビア
2015.08.18
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12歳の時からコロンビア赤十字社でボランティア活動に携わるマリオ・アルベルト・ヒメンゼ ©ICRC

 

一度ボランティアの精神に取りつかれてしまうと、もう後戻りできません。年を追うごとに積み重なる人々の笑顔や感謝の言葉、抱擁。これらがひたむきな気持ちを突き動かす原動力になります。

 

マリオ・アルベルト・ヒメンゼもその一人。早くからボランティア活動に従事しています。

 

「コロンビア赤十字社でボランティアを始めたのは、12歳の時です。20年前でしょうか。私は、看護師の資格を持つ、ただの普通の男です」。

 

現在コロンビアの南西部で、赤十字国際委員会(ICRC)の活動に携わるマリオ。国際赤十字・赤十字運動の象徴であるボランティア精神は、これまで以上に強くなりました。

 

たくさんのことを教えてくれた赤十字

マリオは、コロンビア有数のコーヒーベルト地帯にあるマニサレスで生まれました。そして、人生の大半をコミュニティへの奉仕活動に捧げてきました。多くの人から自分の時間を犠牲にしていると言われますが、彼自身はそうは思っていません。

 

「赤十字はたくさんのことを教えてくれました。おかげで人として成長できたと思います。コロンビア国内の様々な場所に行ったり、任務で他の国を訪れる機会にも恵まれました。赤十字運動のボランティアは私の第二の家族なんです。彼らこそが、必要とされているときに手を差し伸べたい、と思える原動力です。自然災害や事故であろうと、避難所や子どもやお年寄りが参加しているコミュニティ活動であろうと、この気持ちに変わりはありません」。

 

マリオは、ボランティアの一員として、自然災害後の救援活動に従事してきました。2010年にハイチで起きた地震は、彼に一生の思い出を残すことになります。

 

「地震発生後にボランティアとして現地で人道支援に携わりました。8万以上もの家族がテントや小屋、雨風をしのげそうなあらゆる場所で生活していて、とてもつらい光景でした。彼らに残されたものは何一つとしてありませんでした」。

 

「避難した人々には、私たちの支援に頼る以外の術がなかったのです。子どもたちの笑顔や人々の顔に浮かぶ感謝の気持ちを目にして、心が温まりました」。

 

「ボランティア活動がもたらしてくれた宝を一生大切にします」

これまでの経験を糧にICRCで活動するマリオは、コロンビア南部で勃発している紛争に巻き込まれた人々を支援しています。

 

「支援を必要としている人に手を差し伸べるのが私たちの使命で、活動の結果が目に見えます。私はもうボランティアではありませんが、これまでのボランティア活動がもたらしてくれた宝を一生大切にしたいと思います。私を必要としている人々の生活が少しでもよくなるよう、これからもこの仕事を続けていきます」。

 

原文は 本部サイト(英語)をご覧ください。